2021.02.16 背中の痛み
「背中の痛み・コリ」と姿勢の関係~身体がラクな姿勢/ポイントその②「胸骨の位置」
前回のブログ(身体がラクな姿勢~ポイントその①「頭の位置」)では「身体がラクな姿勢」のポイントとして「頭の位置」について解説しました。
今回はポイントのふたつ目「胸骨の位置」について、お話させていただきます。
ポイントその②「胸骨の位置」
「胸骨」(きょうこつ)と聞いてすぐにわかる方は、どれほどいらっしゃるでしょうか?
いまいちピンとこない方も多いかと思います。
胸骨とは身体の前面の真ん中、肋骨の間にある骨です。
胸骨の裏側には「胸腺」という免疫の重要な器官があります。
胸腺ではリンパ球の生成などが行われます。免疫反応の司令塔であるT細胞などが生成されます。
胸骨は肋骨などと併せて「胸郭」(きょうかく)を形成しています。
胸郭は身体のあらゆる動きと連動します。特に、上半身の動きと大きく連動します。
「胸骨の位置」のポイントとなるのは「胸郭の動き」
胸骨は、必ず胸郭とセットで動きます。
例えば、胃のあたりを前に突き出すように背中~腰を反らすと、胸郭はこんなふうに動きます。
胸郭が後ろに傾きます。
この状態になると、胸骨は上がり、上半身は後ろに傾きます。
このままだと、頭の重さも加わり後ろに倒れてしまうので、バランスを取ろうと頭を前に出そうとします。
明らかに負担の大きい姿勢です。
この状態ですと、
・アゴ~首、背中~腰が力む。
・息を吸う方が勝り、呼吸の乱れ(息がつまる・息苦しさ・息が吐きにくい、など)そこから引き起こされる自律神経系の乱れ。
・息を吸う方が勝り、上腹部~胸郭内の臓器(肺、心臓、胃など)への膨張圧が増す。それによる内臓への負担。
などの弊害が起きます。
それとは反対に、胃のあたりを凹ませる、背中を丸めるようにすると、胸郭はこんな風に動きます。胸郭が前に傾きます。
この状態ですと、
・頭を引上げようと、首~肩の力み
・胸やお腹が潰れる状態となり、内臓や血管・神経などが圧迫される。胃腸トラブルなどの原因に。
などの弊害が起きます。
では、安定したバランスの良い胸郭の状態は?というときのポイントが「胸骨の位置」です。
写真のように、胸骨の真ん中あたりに手を置いて、胸骨を上にあげたり、下げたりしてみます。皮膚を動かすような感じで。
胸骨は大きくは動きませんが、試してみてください。
そうして、最もおさまりが良いなと感じる位置・息が吸いやすい位置を探してみます。実際に呼吸してみながら探してみるとわかりやすいです。
そうすると、「ここだとラク」「なんとなくここかな?」という位置が見つかります。
これは胸郭の動きが悪い・硬い方ほど、わかりにくいかもしれません。
まずは「なんとなくここがラクかな」というかんじでOKです。
この胸骨がラクな位置というのが、胸郭も安定している位置です。
あとは、ラクな位置を崩さぬよう動くには、どう動いたらよいか?が、重要になります。
※ここは前回のブログに書いた「お盆に水の入ったコップが乗っている感じ」を参考にしてください。
この「ラクな位置を崩さぬように動く」というのが、身体を疲れさせない、症状を悪化させない最重要ポイントになります!
つまり「予防」となり「養生」にもなります。
試してみて「胸骨の位置がわからない!」という方はご相談ください。
次回は「アゴの位置」についてお話したいと思います。