2023.06.6 院長のつぶやき
スドウさんの姿~治療者のこころ
あんずの思い出
この度、僕が勤めていたあんずの種須藤先生(以下スドウさん)が本を出版することになり、僕もあんず卒業生として少し寄稿させていただくことになりました。
何を書こうかな?と考えた際、ひとつの思い出が浮かびました。
Tさんのこと
あんずの種に勤めていた時のこと。患者Tさんはガン治療の一環として治療に来てくれていました。
明るくハキハキとした物言いで強い眼差しのTさん。僕もあんず入社当時からお身体を診させていただき、鍼灸師として育ててもらいました。
肉体的・精神的に大変なガン治療のなかでも、いつもTさんからは力強さを感じたことを覚えています。
ですが、お若かったこともあり病状の進行は早く、残された時間も僅かという時。スドウさんは鍼とお灸とアロマを持って、Tさんの病室に向かいました。
スドウさんの姿
帰ってきたスドウさんが開口一番「もう鍼もアロマも何もできない」そんなスドウさんを見たのは最初で最後です。
最期のその時。病室に行き治療を提案するなんて非常識かもしれません。
ですが、常識を飛び越え動いたスドウさんの姿に、人を治すとは、命に関わるとはどういうことか教えられました。
治療者としての姿勢、根底にあるもの
自分はそれだけの覚悟を持って患者さんに接しているだろうか?患者さんの生きる力と鍼灸の可能性を信じているだろうか?開業した今だから尚、感じることです。
根底にそういった想いがあるか。そこに治療する者の本質が問われると思います。
僕があんずの種で学んだ、大切なことのひとつです。
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