はりきゅう・こきゅう
ホクラク

2023.02.9 じんましん

症例報告/改善事例:じんましん∼鍼灸治療で早期に症状が改善したケース

ご来院者さま 

50代 女性 

施術開始

2022年8月

症状・現病歴

2022年7月よりじんましん(蕁麻疹)を発症。じんましんによるかゆみ、灼熱感に悩まされている。早朝(4時頃)に下肢および鼠径部に好発する。症状が出る原因は不明。症状が出たときは保冷剤などで対処している。オロパタジン等の抗ヒスタミン剤を服用しても痒みはあまり改善しない。アレルギーテストではシラカバ・化学繊維・化粧品に反応。

生活の状況

医療者のため、新型コロナウィルスの患者対応で激務が続いている。

所見・お身体の状態

脈診はやや速く数脈。舌診は舌尖紅。腹診は右季肋部が膨隆し過緊張。季肋部全体が緊張している。腹部の張痛あり。

呼吸は呼気時に季肋部に苦しさを感じる。肩前面(中府穴)に強い圧痛あり。強い頸肩部の緊張がみられる。

足先に冷感あり。易疲労。

睡眠は途中覚醒あり。二便は軟便傾向、夜間尿あり

治療方針

季肋部の緊張緩和および自律神経調整を中心に、全体の熱バランス調整を行う。睡眠と排便改善の治療も併せて行う。

強い頸肩部の緊張と交感神経優位との相関が考えられるため、頸肩部や頭部の緊張緩和の施術も行う。

1~2週間毎の治療ペースをご提案する。

経過

2~5診

初診治療後じんましんの程度が大きく改善する(初診時のじんましんの程度を100%とした場合、治療後15%に減少)。夜間尿もこの間無かったとのこと。

4診時には夜間のかゆみや皮膚症状は気にならない程度になる。便通も改善傾向に。

6~10診

全くじんましんが出ない日が続く。以前感じていた顔のほてりも減ったとのこと。時折外食や過労でじんましんが出そうになるが、以前のようには発症しない。

現在、体調維持として月1回程度の治療を継続中。

治療によるじんましんの改善評価 

※治療開始前10とし、無症状を0とする

※画像の症状経過アンケートは4診時に記入

痒み:10→1
皮膚の赤さ:10→1
乾燥:10→2
熱感・ほてり:10→0
ジュクジュク(湿潤):10→0

〇 治療開始前の症状・お身体の状態

じんましん(全身、特に首~体が灼熱感と痒みで眠れませんでした)

〇 治療を継続しての症状・お身体の変化

以前のじんま疹は深夜ですが、今は起床時に足(膝やソケイ部)にごくわずかに出る程度に改善しました

〇 症状改善までの期間

初回治療後から改善しています

〇 その他、生活における変化

夜間トイレに起きる頻度が減りました。体の熱感(上半身)が軽減しました。食事もなるべく自炊して熱のたまりやすい回数を減らしました。

考察・まとめ

じんましんは皮膚に発症する疾患ですが、その要因としては生活リズムの乱れや疲労や過緊張、ストレスなどによる自律神経の失調が大きく関わります。

また、東洋医学的には熱循環の失調による湿熱の停滞が湿疹に至ると考えます。じんましんの患者さまの多くが自律神経的には交感神経優位の状態、東洋医学的には上熱下寒の状態です。

消化器(主に腸)と皮膚疾患の関係は深く、便通改善もじんましん治療のポイントになります。油や炭水化物、甘いものなどの体内で熱になりやすい食事への配慮なども大切になります。

睡眠は疾患問わず体調改善の要であり、東洋医学的にも眠りは「陰」を補う作用があり、熱の停滞を伴う症状に対して重要な意味があります。ストレスも過剰になることで「化火」し、身体にとって過剰な内熱になることから、ストレス緩和も改善のポイントです。

また、発症から比較的早期に鍼灸治療をスタートさせたことも、改善の早さにつながったものと考えます。

じんましんの場合、お薬が効きにくい患者さまも多くいらっしゃいますので、お悩みの方はどうぞご相談ください。

※効果には個人差があります

自律神経失調症やパニック障害、アトピー性皮膚炎
その他お身体の症状でお悩みの方はお問い合わせください

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