2022.01.8 自律神経失調症・自律神経系のお悩み
指先から全身を整える~井穴について
「爪をもむといいですよ~」
ホクラクでは患者さまに「爪もみ」をお伝えすることが多いです。
爪もみはいつでもどこでも出来るセルフケアです。
⑴ 手足の指が体を巡る「経絡」につながる→指から全身の調整が出来る
⑵ 爪の際は自律神経に関わる重要なポイント→自律神経のバランスを整える
というのが爪もみの特徴です。
僕も施術に入るときや就寝前などにモミモミします。
続けていると指先がほぐれ、呼吸がしやすくなり、ゆっくりとリラックスしてきます。頭や眼もスッキリしてきます。
飛行機など長時間同じ姿勢でいるときも絶好の機会です。
指先にある重要なツボ「井穴」
鍼灸では主にツボ(経穴)に鍼やお灸をします。そのツボとツボを繋いだラインを「経絡」と呼びます。
経絡には「気」や「血」といった身体のエネルギーが流れます。
電車に例えると、
●ツボ(経穴)=駅
●経絡=線路
というイメージです。
経絡にトラブルが起きると気血の流れが悪くなり、気血の状態が悪くなると身体に不調があらわれます。その場合、経絡にも圧すと痛みがでたりくすぐったかったりなど、何らかの反応が現れます。
全身には12本の主要な経絡(十二正経)があります。
(その他、体の真ん中を通る「任脈」「督脈」という経絡や奇経という経絡などもあります)
それら十二正経のスタート地点が、爪の際にある「井穴」というツボです。
爪のタテの際ラインとヨコの際ラインが交わるところにあります。画像をご参照ください。
井穴の「井」は「気が湧き出るところ」という意味。
とある名人クラスの鍼灸師さんが、脳梗塞が起きた方に出くわした際、井穴に鍼を打ち応急処置したおかげで、後遺症を未然に防いだという逸話もあります。
脳血管障害の後遺症予防に鍼灸は有効です。
発症後の鍼灸治療が早いほど後遺症を軽減する可能性があります。
井穴は経絡の状態や経絡がつながる臓器や筋肉の状態も表します。
井穴はどこの経絡にトラブルが起きているか?身体のどこが弱っているか?などを調べるチェックポイントにもなります。
それぞれの指と全身につながる経絡
各井穴と経絡の関係は以下のようになります。
●手の井穴
親指~肺経:肩こりや皮膚トラブル、呼吸に関わる症状など
人差し指~大腸経:肩こりや眼の疲れ、顔に関する症状、胃腸の症状など
中指~心経・心包経:ストレスや精神面の症状、循環器に関する症状、吐き気など
薬指~三焦経:アゴや耳まわりの症状、片頭痛、首や肩の症状など
小指~小腸経:肘や肩甲骨まわりの症状、頭痛など
●足の井穴
親指~脾経・肝経:婦人科系・消化器系の症状、眼の症状、ストレスなど
人差し指~胃経:胃腸の症状、足の症状
薬指~胆経:筋肉の症状、腰や下肢の症状、片頭痛、耳やアゴまわりの症状など
小指~膀胱経:身体後面の症状、ふくらはぎから太腿の症状など
足裏の中央~腎経:泌尿器系・生殖器系の症状、睡眠のトラブル、耳に関わる症状など
セルフケアには井穴のモミモミorツンツン刺激
そんな井穴を刺激するのは「モミモミ」か「ツンツン」がおすすめです。
モミモミは、井穴を横から挟むようにしてモミモミ・クリクリとほぐすように刺激します。
痛気持ちいいくらいの圧で刺激するのがおすすめです。各指を10秒くらいが目安。
ツンツンは、爪楊枝の裏などでツンツンするのがやりやすいです。
これも痛気持ちいい程度に押す・離すを繰り返すしてみてください。一箇所5~10回くらいが目安です。
セルフケアとして行う場合は、すべての指を刺激してOKです。
まとめ
ホクラクでは井穴に「刺絡」という施術も行い、より効果的に自律神経調整・全身調整を行います。
爪もみはいつでもどこでも安全にできるセルフケアです。
ただ、実際に病気や症状がある方は、お身体の状態によって刺激したほうが良い井穴が変わります。場合によっては刺激しないほうがよい井穴もあります。
お悩みの症状がある方はまずは一度治療を受けていただけますと、おひとりおひとりに最適なセルフケアをお伝えします。
ぜひお気軽にご相談ください。
自律神経失調症やパニック障害、アトピー性皮膚炎
その他お身体の症状でお悩みの方はお問い合わせください