2021.03.21 からだとこころのこと
「身心でOK」ということ
「ハラダさん、ここのところ身心ってなってますけど、これでよいですか?心身ではなくて」
「はい、身心で間違いないです」
ホクラクのウェブサイトを制作していただいた業者さんとのやりとりです。
ウェブサイトに限らず、ホクラクがハラダが発信する場合、身心という表記にしています。
意図的なものです。
それは、
「まず身体ありき」
「身体(肉体)に、心(精神)が宿る」
と、考えているからです。
身心?心身?
身体は心に作用し、心は身体に作用します。
身体を病んで心も病む方がいれば、心が病んで身体が病む方もいます。
相関関係がある身体と心ですが、まずどちらを整えたらよいか?というと、身体です。
身体無きところに、心は存在しません。
また心の健やかさは、自己の身体性や身体への安心感に依るところがとても大きいと思っています。
自己の身体性とは、自分の身体をうまく使えているかということ。自分の身体のシグナルをキャッチ出来ているということ。
身体への安心感とは、健康であることや自分の身体を管理出来ていること。
そして、
「現象をどう心が捉えるかは、身体性に依るところが大きい」
ということです。
それはシンプルな話で、
例えイヤなことを言われても、身体が元気なときと、調子悪いときだと、同じことを言われても、受けるダメージは違いますよね。
そんな話です。
誰もが経験していることです。
心の問題を心で解決しようとしても、なかなかうまくいかないことも多いです。
例えば、
「上司がいちいち細かく苦言を言ってきてイライラする、、、でもボクを思ってのことなんだからイライラしちゃダメだ」
このように解釈で感情をねじ伏せようとしても、そううまくは行きません。
むしろ、抑圧された感情が爆発すると、より手が付けられません。
こんなときに、身体性を高める、からだをラクにすると、案外感情がおさまります。
まず身体から。心はとりあえずそのままでも
起きている現象は変わらなくても、身体性を高めたり、からだをラクにすると、
「どうでもいいか」となったり、
「ま、いっか」となります。
特に呼吸を整えるとなります。
これも誰もが経験していることで、
「なんかむしゃくしゃしてたけど、温泉に入ったらサッパリした」
などは、まさにそうかと思います。
身体をラクにする鍼灸や呼吸法の現場でも、度々起こることです。
「身体という、心が入っている器に余裕を作ったら、相対的に心の占有率が小さくなった」
かんじです。
心がしんどいとき、心で解決しようとしない。心にフォーカスしない。視点を変える。
まず身体から整える。
身体が整っても心に残るしこりこそ、心でのアプローチが必要なもの。
そここそ心や精神の専門家の手助けが必要な部分と思います。
精神科や心療内科、カウンセラーなど、心の問題を心からアプローチする専門家がいます。
それは必要な存在です。
双極性障害や希死念慮などがある場合は、まず然るべき専門家の受診や対応が必要です。その上での身体へのケアが好ましいです。
(最近は精神医学の分野でも「まず身体的な改善からアプローチする」ということを、その分野の方からお聞きしました)
心や気持ち、感情のことで悩んでいる方に、身体をラクにすることで心もラクになるということ。
「ラクになる道は、こっちにもあるよ」ということを知ってもらいたく、書きました。
身心の話でした。