2025.12.22 改善事例・患者さまの声
改善事例:機能性ディスペプシア〜胃の不調で長年悩まれていた方の症例/薬を飲まなくても、症状が安定してきたケース〜
患者さま情報
- 40代・女性
主な症状
- 胃の痛み
- 胃のムカムカ、不快感
など、機能性ディスペプシアによる症状
ご来院の経緯
10代の頃より胃の痛みや不快感があり、これまで長年にわたり薬で症状をコントロールしてきました。
一時的に良くなっても再発を繰り返すことが多く、今回の悪化時も服薬で改善したものの、薬を中止すると再び不調を感じる状態でした。
「できればずっと薬を飲み続けたくない」
「薬を飲まずに症状を安定させたい」
という思いから、当院にご来院されました。
お身体の状態
お話を伺い、体を確認していくと、
- 足先が冷えやすい
- 疲れやすく、すぐ眠くなる
- 胸やけや吐き気が出やすい
- お腹が張りやすい
- 首や肩がとてもこっている
- 顎やこめかみ周りに力が入りやすい
- ストレスを感じやすい
- といった状態が見られました。
特に、首・肩・顎まわりの緊張がとても強く、体が常に力んでいる状態でした。
触診等の所見は、
- 顎関節、側頭部、後頚部の過緊張
- 肩甲挙筋の強い緊張、僧帽筋の著明な膨隆
- 下肢前面、外側広筋・前脛骨筋の緊張
- 脈:全体的に沈・弱
- 舌:淡白で歯痕あり、一部に紅点
- 腹部:上腹部〜鳩尾、胸骨中央に強い圧痛
下腹部に硬さと詰まり感
治療内容と経過
自律神経のバランスを整え、
体の緊張をゆるめていくことを目的に、鍼灸施術を行いました。
初回の施術から約1週間後、
- 胃の痛みや不快感が出なかった
- 薬を飲まずに過ごせた
とのことで、
「薬を飲んでいないのに大丈夫なのが不思議」
「このまま薬をやめられたらうれしい」
とお話しされていました。
その後も、
10日〜2週間に1回のペースで施術を続け、
ご自宅でできる簡単なお灸もお伝えしました。
現在は、
月に1〜2回のペースで体のメンテナンスをしながら、
お薬を飲まずに、胃の調子が安定した状態が続いています。
なぜ良くなっていったのか?
機能性ディスペプシアの患者さまに共通して多くみられるのが、
上腹部〜みぞおち、背中の強い緊張です。
これらの緊張をゆるませていくことが、改善の大きな一歩となります。
胃の症状があると、「胃だけに原因がある」と思われがちですが、実はそうとは限りません。
この方の場合、
- 首や顎に力が入りやすい
- 食いしばり・噛みしめの癖がある
- ストレスを感じると体が緊張しやすい
といったことから、
自律神経が乱れやすく、胃が影響を受けやすい状態になっていました。
体がずっと緊張していると、
胃腸はうまく働きにくくなってしまいます。
「胃の不調なのに、首や顎が関係あるの?」
と思われるかもしれませんが、
体はすべてつながっています。
特に、ストレスや自律神経が関わる症状では、
全身を整えることがとても大切になります。
また、過去にパニック障害の既往があり、
もともと自律神経が乱れやすい体質がベースにあったことも大きな要因です。
東洋医学的には、
- 前脛骨筋(=陽明胃経)の反応
- 舌所見から、脾胃の冷えや血虚
- 舌の紅点から、ストレスや交感神経優位
が読み取れ、これらは機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群、逆流性食道炎の方にもよくみられる所見です。
患者さまご本人も、
「悪化する前には必ず強いストレスを感じている」
という傾向を自覚されていました。
ストレスで症状が悪化しやすい方の特徴として、
普段から身体の力みが強いことが挙げられます。
本症例では特に、
首や顎 → 全身 → 自律神経
という影響が大きかったため、そこへのアプローチが結果として胃症状の改善につながったと考えられます。
同じような症状でお悩みの方へ
- 検査では異常がないと言われた
- 薬を飲むと楽になるけれど、やめると不安
- ストレスがかかると胃の調子が悪くなる
- 首・肩こりや食いしばりが気になる
このような方は、
体の緊張や自律神経の乱れが関係しているかもしれません。
当院では、
鍼灸による体の調整に加えて、
- ご自宅でできるセルフケア
- 生活習慣のアドバイス
- ストレスとの向き合い方
などもお伝えしながら、
つらい症状が少しでも楽になるようサポートしています。
機能性ディスペプシア、胃の不調や消化器症状でお悩みの方は、
どうぞお気軽にご相談ください。

自律神経失調症・自律神経系の症状、パニック障害、呑気症、咽喉頭異常感症(ヒステリー球、梅核気)、過敏性腸症候群・機能性ディスペプシア・逆流性食道炎など消化器系の症状、月経前症候群(PMS)・月経前不快気分障害(PMDD)・更年期症状など婦人科系の不調、じんましん
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