はりきゅう・こきゅう
ホクラク

2023.04.12 アトピー性皮膚炎

症例報告/改善事例:アトピー性皮膚炎∼リバウンド症状の緩和と併せてアトピーが改善されたケース

ご来院者さま 

40代 女性 販売員

施術開始

2021年8月

症状・現病歴

子供の頃からのアトピー性皮膚炎。特に子供の頃が症状ひどかったとのこと。これまでステロイド外用薬(強さ:week)や抗アレルギー剤で症状をコントロールしてきた。最近になり薬を使用してもあまりアトピー症状が改善せず、症状のコントロール出来にくくなってきていた。この度顔の炎症が気になり、ステロイドの使用を中止したところ今朝リバウンドの状態になる。特に顔面部のアトピーが強く、不織布マスクで悪化するため布マスクを使っている。初診時には漢方エキス剤(黄連解毒湯)も服用中。

生理周期によって過食傾向になり、アトピー症状の悪化もある。季節は夏に悪化する。

副訴として月経前症候群、肩こり、便秘。所見・お身体の状態

舌診にて舌尖の赤み。腹診は鳩尾と下腹部(臍下)に圧痛。脈は平脈。

後頚部に強い硬結が多数ある。腰方形筋の過緊張と志室にも強い硬結。

足先の冷えが強く、首から上に熱感あり。

肩の皮膚に瘀血の反応あり。

治療方針

腹部の緊張緩和、頸肩部の緊張緩和と血流改善を中心に、自律神経調整と便通改善の施術も併せて行う。月経前症候群や月経によるアトピーへの影響もあることからホルモンバランスの改善も目的とする。

住環境・食事改善のアドバイスとローラー鍼でのセルフケアもお伝えする。

まずは1週間毎の治療ペースをご提案する。

経過

2~5診

鍼灸を受けた日は良く眠れる。今まであまり症状の出ていなかった首から下にも痒みを感じるようになる。この間に生理があったがいつもより体の重さが少なかった。また、生理前の甘いもの食べたい欲求も少なかった気がする。肩こりやイライラも減った。

6~10診

便通が良くなってくる。腹診での圧痛も減る。皮膚の保湿感も改善を感じられる。この間に湯治も行い、その効果も感じられるとのこと。

11~15診

顔面の痒みも徐々に減っている。腹診の圧痛も減ってきた。患者さま曰く「劇的に良くなっているわけではないが、悪化しにくくなった」とのこと。食事では小麦製品を避けている。便通や睡眠も安定。

16~20診

顔全体や目の周りの皮膚の質感が改善してきた。お身体全体的にも柔らかく保湿感が出てきた。月経前の暴飲暴食やイライラも無い。

21~30診

いつも夏にアトピー悪化していたが、今回の夏はそれほど悪化してせず。アトピー症状は引き続き安定している。月経前症候群も安定。肩こりは依然出るため都度調整を行う。

現在、体調維持として月1回程度の治療を継続中。

治療によるアトピー性皮膚炎の改善評価 

※治療開始前10とし、無症状を0とする

痒み:10→4
皮膚の赤さ:10→4
乾燥:10→3
熱感・ほてり -
ジュクジュク(湿潤) -

〇 治療開始前の症状・お身体の状態

マスクかぶれによる顔の症状の悪化+リバウンドによる全身への広がり(もともと身体には症状が少なかった)

〇 治療を継続しての症状・お身体の変化

皮フ科の薬を継続しているが、一番症状が出ていた時に比べ、かなり改善されている。症状がない部分も肌質が良くなっている。

〇 症状改善までの期間

施術回数を重ねる度

〇 その他、生活における変化

PMSが軽くなった。若干のイライラはあるが暴飲暴食をしなくなり、甘いものを食べすぎることも無くなった。食事の内容が良い方に変わった。

考察・まとめ

当症例は鍼灸治療によってステロイド外用薬のリバウンド緩和とアトピー性皮膚炎の改善がみられた一例となります。

併せて月経前症候群(PMS)も改善されたことにより、暴飲暴食しなくなったこと、甘いものを節制することが出来て全体的に食生活が改善されたことも、アトピー性皮膚炎改善の重要なポイントと考えます。

女性のアトピー性皮膚炎において月経やホルモンバランスとの関係は深く、それらの状態を良くしていくこともアトピーが良くなることに繋がります。

アトピー性皮膚炎の治療は3ヶ月を1クールとし、症状の改善やお身体の変化をみながら治療を進めていきます。

アトピー性皮膚炎の改善は、アトピーの現病歴、IgE値や家族歴などのアトピー素因、食習慣や住環境などの生活状況、身体的および精神的状態、社会的な要因などによってに個人差があります。

ホクラクでは患者さまおひとりおひとりへの最適な施術とアドバイスを行いながら、アトピー性皮膚炎の改善を一緒に目指していきます。

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