2024.07.19 ホクラクの専門
呑気症と呼吸、自律神経の関係
「呑気症になってしまい困っています…😢」
先日、患者さまからこのようなご相談を受けました。
呑気症(どんきしょう)とは、無意識に大量の空気を飲み込んでしまう症状のことです。ゲップが頻繁に出る、お腹の膨満感が強い、胸焼けや上腹部の痛みを訴える方が多くいます。
当院が専門とする自律神経失調症やパニック障害の患者さまにも、呑気症がよく見られます。呑気症はストレスや噛み締め・食いしばり、早食いなどが原因とされていますが、実は「呼吸」と「自律神経」も深く関わっています☝️
呼吸と呑気症の関係
呼吸の視点から見ると、呑気症の患者さまには「息が吸いにくい」「たくさん吸えない」といった特徴があります。これは、普段から息を吸った状態でいることが原因と考えられます。これを吸気優位といいます。
詳しくは後述しますが、ここに自律神経が深く関わっています。
体は緊張したり力むと息を吸う特性があります。日常で緊張や体の力みが繰り返されると、慢性的に息を吸った状態が続き、まさに「息が詰まる」状態が引き起こされます。
例えば、緊張した会議や誰かに怒られている状況をイメージすると分かりやすいでしょう。体はこわばり、息は吸った状態で止めてしまいます。
こうなると、体は空気を吸いやすく、吐きにくい状態になり、呑気症が引き起こされます。ゲップが出るならまだ良い方で、ゲップも出ないほど緊張している方は逆流性食道炎なども発症しやすくなります。
呑気症の患者さまの特徴として、
- 肩甲骨周辺や背部
- 肩甲挙筋や胸鎖乳突筋
- 顎周りから頭部
- 上腹部(みぞおち、季肋部)
これらの緊張が見られます。鍼灸や手技でこれらを緩めると息が吸いやすくなり、同時に息が吐きやすくなります。
加えて「姿勢」も重要です。
猫背では腹部を押しつぶされる状態になり、呼吸の出入りを妨げます。また、無理に背筋を伸ばした姿勢でも吸気優位になりやすく、これも呼吸の不調を引き起こします。
自律神経と呑気症の関係
次に、自律神経の視点から見る呑気症です。身体が緊張しているというのは、自律神経的には「交感神経優位」の状態です。交感神経優位が起きる理由として、ストレスや噛み締めが挙げられます。
また、噛むという動作は全身の力の出力において非常に重要です。スポーツ選手が瞬間的に最大限の力を出すときには「どれだけ噛み締められるか」が反映されます。逆に言うと、顎に力が入らない・噛み締めることができないと、全力を発揮することが難しくなります。
つまり、噛み締めや食いしばり、顎を引く癖があると「常に力んでいる」状態が生じます。
では、なぜ噛み締めたり食いしばったりするのか?そこにストレスや精神面が関係しています。
ストレスがかかる→噛み締めてしまう・顎に力が入る→全身の力みが生じる→交感神経優位になる→呼吸が吸気優位になる→さらに身体の力みや交感神経優位、メンタルの不調が悪化する
という悪循環が発生します。
前述したように、呼吸は自律神経と密接に関わります。当院の治療では、
- まず体に反応が出ているポイントを緩める
- 息を吸って吐けるようになり、呼吸を楽にする
- 副交感神経優位の状態に切り替わるよう体を整える
- 吸気優位が解消され、過剰に息を吸うことが減る
- 呑気症が改善される
という流れになります。
呑気症は、呼吸と自律神経を専門とする当院の得意疾患の一つです。
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